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育休中のCISSP勉強法

入社5年目のセキュリティ診断エンジニアです。私事丸出しのブログで大変恐縮なのですが、このたび息子が誕生しまして、2ヶ月強の間「育休」を取得しました。本記事では、MBSD(以下、弊社)の育児休業制度と、その間に取得したCISSPの勉強法について、実際に体験した社員(私)の目線でご紹介したいと思います。MBSDブログは脆弱性スキャナマルウェア解析などの技術的なテーマで多く執筆されていますが、本記事を通じて弊社の技術面以外にもご興味を持っていただければ、望外の喜びです。

弊社の育児休業への取り組み

育児休業(以下、育休)については各所に詳しい説明があるので省略しますが、制度自体は「育児・介護休業法」として法制化されており、弊社の育休制度もこの法律に則っているので、従業員が育休取得を希望すれば部署やチームは取得に向けて支援してくれる状況です(制度や条件は都度改正される可能性もありますので、最新の情報をご確認ください)。現に、私が所属するプロフェッショナルサービス事業部でも、総勢約50名という部署ながら、直近1年(※執筆時点)で私を含め3名が育休を取得して復職済み、1名が取得中、1名が取得予定です。「職業生活と家庭生活の両立」という法の主旨のとおり、皆さん有効に活用している印象です。

育休取得までの流れ

私が育休を取得するまでに行ったことを振り返ります。

  • 出産予定日の7ヶ月前:「評価面談」と呼ばれる人事評価があり、上長や部長と個別に面談をする機会があります。私はこのタイミングで、妻が妊娠した旨と、育休を取得したい旨を伝えました
  • 出産予定日の4ヶ月前:「目標設定面談」と呼ばれる、通年の個人目標を上長と検討する機会があります。この頃に育休のだいたいの期間を定めました。私の場合は「産後~2ヶ月程度」を考えていましたので、そのように上長に伝えました。
  • 出産予定日の1ヶ月前:育休の具体的な日程を決定し、「育児休業申出書」を準備しました。私の場合、新型コロナウイルスの影響で立ち会い出産はおろか、産院内への立ち入りも禁止されていたため、陣痛が来ても妻を産院へ送り届けたが最後、退院まで面会できないことが事前に分かっていました。妻と相談して、出産予定日の1週間ほど後から育休を開始することにしました。
  • 出産予定月:息子が誕生しました。上長とメンバーが、育休開始日までに完了できるよう作業を融通してくださり、おかげで予定通りに育休を開始できました。

育休中(余談)

息子の誕生から2, 3週間は、毎日が目まぐるしく過ぎていきました。息子は約3時間おきに授乳を求め、昼夜関係ありません。「昼番・夜番」というシフト制や曜日単位の「夜勤」担当制などいろいろと試行錯誤して、夫婦ともに体力を消耗しない育児の方法を模索しました(今では息子がしっかり寝てくれるので使っていませんが)。

また、里帰り出産だったため、六曜が「大安」の日は妻の親戚や友人が次々と来てくださりました。新型コロナウイルスの感染予防に気をつけたり、眠気を悟られぬよう丁寧にご挨拶したりすることも大切な務めでした。ありがたいことに、多くの方からお祝いを頂きましたので、お礼を兼ねた出産内祝いを取り違えなく購入してお礼の手紙を添えるなど、非日常的なイベントも膨大でした。

そうこうするうちに1ヶ月経ち、1ヶ月健診を終えて、里帰りから戻りました。妻の実家で過ごしていたときは、妻の両親に息子の面倒を見てもらい、その隙に買い物したり仮眠を取ったりできました。が、夫婦2人となると必然的にどちらか一方は息子を注視していなければなりませんし、もう片方は通常の家事を滞りなく進行する必要があります。俗に言う「ワンオペ育児」が狂気の沙汰に思えました。

ですが私ども夫婦2人であれば何とか手が回り、段々と育児のコツを掴み、手際よく作業できるようになっていきました。息子が寝たタイミングで掃除や片付けを協力して行って、徐々に自由時間を捻出できるようになりました。

CISSPの勉強法

捻出した家事と育児のすきま時間で、CISSPの試験勉強を始めることにしました。と言うのも、自分の専門とする分野については深く追究できている自負がありますが、ISMSや資産管理、リスク分析といった、弊社で言えばコンサルティングの分野と私は関わりが浅く、日々の業務がある中ではなかなか知見を広められていない状況でした。CISSPは情報セキュリティの範囲を広くカバーしているため、取得をモチベーションに勉強すれば既知の分野含め全体を見直すことができ、あわよくば資格も取得できて一石二鳥と考え、一念発起しました。

私が使用した書籍は『CISSP公式問題集(日本語版)※リンクは楽天Kobo版』1つです。CISSPの詳細は割愛しますが、試験は8つの「ドメイン(分野)」に分かれています。この問題集は、各ドメイン約100問の問題が用意されていて、さらに本番2回分(500問)の模擬試験も付いており、非常に充実しています。ほとんどの問題は一問一答形式のため、例えば【5問解く→丸つけ→解説を読む】という一連の勉強を10分程度で行うことができますし、途中で育児を割り込むことになっても細かく中断できます。また電子書籍なので、問題番号を選択するとその問題の解答解説にジャンプすることができ、丸つけがとても簡単です。

ご参考までに、ある日の私の家族のタイムスケジュールをお見せします。

時刻 内容
7時 息子の泣き声で起床、(夫)洗濯、(妻)授乳
8時 家族で二度寝
10時 息子の泣き声で再び起床、(夫)洗濯(赤ちゃん用洗剤と分けるため洗濯は2回)、(妻)授乳
10時半 (夫)息子と遊ぶ、(妻)朝食
11時 交代で片方は掃除、もう一方は息子と遊ぶ
12時 (夫)息子を寝かしつけ、(妻)昼食準備
12時半 (夫妻)昼食
13時 (夫)朝食と昼食の片付け、(妻)授乳
14時 家族で散歩、途中で片方は買い物
16時 帰宅、(夫)息子と遊ぶ、(妻)洗濯物を片付ける
17時 (夫)勉強、(妻)授乳して寝かしつけ
18時 (夫)息子と遊ぶ、(妻)夕食準備
19時 (夫)息子の入浴補助と着替え、(妻)息子と入浴
19時半 (夫)入浴、(妻)授乳して息子を寝かしつけ
20時 (夫妻)夕食
21時 (夫)夕食の片付け、(妻)息子と遊ぶ
22時 (夫)勉強、(妻)息子を寝かしつけ
25時 就寝

毎日がこんなにもスムーズに過ごせたわけではありませんが、夜によく寝る息子と、試験勉強に協力的な妻のおかげで、1日2~4時間くらいは勉強時間を確保できていました(息子は、昼間はあまり寝つかず、抱っこなどで遊んでないと泣いてしまうので、勉強を中断して遊んだり散歩したりすることが多々ありましたが)。1日50問を目安に、3週間程度で各ドメインを1周解きました。この時点での正答率は65%くらいでした(合格ラインは70%)。間違えた問題の要点と周辺知識を調べてまとめ、息子と遊ぶときや就寝前に片手間で適宜それを復習して、間違えた問題のみ2周目を解きました。

ここで、私が印象に残っている情報源をご紹介します。

リンク先をご覧になった方は、何の話をしているのか混乱してしまったのではないでしょうか(笑)。実はこれらすべて、先にご紹介した公式問題集の中で出題されている問題の関連情報です。列挙した情報源は、問題集の解説では足りない知識を分かりやすく解説してくださっていたので、問題集やドメインへの理解を深める意味では本当に役に立ちました。また、CISSPの広い知識範囲には大変驚きました。

そして試験1週間前に、仕上げとして模擬試験を解きました。本番は6時間250問、マスク着用、休憩自由という条件なので、これを再現すべく、家の中でマスクを付けながら、息子が泣いたときは休憩という扱いにして、250問一気に解きました。回答に要した時間は休憩含まず3.5時間程度、正答率は8割前後でした。

試験自体は復職後に受けましたが、このように準備して挑んだ結果、幸いにも一発合格できました!

振り返ると、上記の勉強は無駄ではないものの、実際の試験問題は「明らかな正解」が分かりにくい4択でした。「どれも正解に見えるが、問題文から読み取れる設定の状況下で優先順位を付けたらこれがベスト…かな?」という答え方で乗り切った問題が数多くあります。現実として、情報セキュリティの世界では「対策にかかるコスト」と「対策しないことで生じるリスク(対策することで得られるメリット)」を天秤にかけるため、必ずしも正解があるわけではありません。ベストだけでなくベターな方法も必要に応じてご提案するという日々の業務経験が多少活かせたかもしれません。

また、上記の勉強法やタイムスケジュールは私個人の体験談であり、一般化できる話では全くないことは重々承知しています。合格できた勝因には妻と息子の要素が非常に大きいと思います。

なお(余談ですが)、弊社はCISSPなどの特定の資格についての取得費用と更新費用を助成する社内制度があります。また、自己啓発関連の書籍購入費などに充てられる助成金制度もあります。これら制度を併用した私は、教材費含めて実質的に自己負担無しでCISSPを取得することができました。

復職

全社的にリモートワークが推奨されている体制のため、復職後も会社へ通勤することはなく、1日中家にいるという意味では育休中と大差ありません。私は完全な「オフライン」にはなれず気になってしまう性格なので、育休中もメールやTeamsをときどき確認していたこともあり、完全な「浦島太郎」状態ではなかったと思います。それでも案件やチームの状況を把握するのに数日かかりました。ただし、業務内容や育休期間にも依ると思うので、一概には言えません。

「まずは慣らしから」と言ってくれるメンバーの配慮もあり、私個人は今のところ大きなトラブルや心配事なく、チームに復帰できていると感じています。

育休のメリットとデメリット

ここからは、私が育休を取得して感じた育休のメリットとデメリットをご紹介します。「育休をよく耳にするようになったけど実情はどうなのだろう」「そもそも育休を取ることの何が良いのだろう」といった方々に、あくまで個人の感想になってしまいますが、ご参考になれば幸いです。

まずはメリットです。妻にもインタビューして洗い出しました。

メリット(夫目線)

  • 平日、人の少ないときに時間をずらして外出できた(郵便局、公園、スーパーなど)
  • 家事と育児を一通り経験したことで、妻が不在でも家事・育児で何をすべきか具体的に想像できるようになった
  • 家族3人で過ごす時間を確保でき、息子の成長を妻と共に見つめることができた
  • 業務と直接関係しない範囲の技術や知識にも目を向けることができた
  • 啓蒙

メリット(妻目線)

  • 産褥期(産後で身体がボロボロの時期)の回復に専念できた
  • コロナ禍で買い物を夫1人に任せられた(新しい生活様式の実践、家事分担)
  • 育児の苦労を共有・共感できた

夫婦で協力して手分けできる、家族の連携が深められる、という法の主旨に適うメリットに加えて、余力があれば知的探究ができる点もメリットと言えるかと思います。

続いてデメリットです。

デメリット

  • 貯金が削られる
    育休を取得すると、会社からの「給与」がなくなる代わりに、雇用保険から「育児休業給付金」という給付金が受け取れます。しかし、実際に給付されるまでには3ヶ月ほどのタイムラグがあるため、育休開始当初は全くアテにできません。私自身、この給付金を受け取れたのは復職後でした。育休開始時点で先2,3ヶ月分の生活費にあたる貯金がないと、タイムラグを出産祝いで凌ぐ状況になりかねず、注意が必要です。
  • 休業中は無給
    前項のとおり、休業中の給与はありません。また弊社の賞与は、賞与の評価対象期間中の休業日数分が控除される仕組みのため、賞与総額が減ります。

育休のデメリットを感じたのは主に金銭面です。育児休業給付金を加味しても、普通に勤務する場合に比べて年収は下がります(手取りでも大きく下がるかは取得期間に依ります)。

まとめ

本記事では弊社の育児休業制度、私の体験談と育児の合間で行うCISSPの勉強法、体験に基づくメリットとデメリットをご紹介しました。私個人としては、単純に息子の世話をするだけに留まらず、家族仲を深められたりCISSPの勉強ができたりと、普段の業務に追われる毎日ではなおざりにしてしまうことに目を向けられた、大変充実した時間を過ごすことができました。年収の低下は全く気にならないほど満足しています。法で定められた制度とは言え、現場の上長とメンバーの理解なしにはできない経験であり、この場をお借りしてお礼申し上げます。そしてもし自分が将来、上長の立場になった際は、部下にも本制度と自身の体験を紹介し、ぜひこの満足度を味わってもらいたいと思っています。

プロフェッショナルサービス事業部

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