Know your enemy.Defense leadership.

トップコンサルタントの経験から見る“セキュリティ”という仕事

お知らせ

NRI対談サムネ (Kenji).jpg

NRIセキュアテクノロジーズ株式会社(以下、NRIセキュア)と三井物産セキュアディレクション株式会社(以下、MBSD)。セキュリティ企業としてライバル関係でもある両社において、それぞれのコンサルティング部門を統括する山口と田中。セキュリティ業界のライバルでもあり、友人関係でもあり、同志でもある二人の対談。本記事では、二人がこれまで経験を通して感じているセキュリティという仕事の面白さや将来性について語りました。

関連記事:トップコンサルタントの視点で見るサイバーセキュリティの現在と未来(外部リンク)

山口 雅史

NRIセキュアテクノロジーズ株式会社 コンサルティング事業統括本部長 兼 ストラテジーコンサルティング事業本部長

田中 良明

三井物産セキュアディレクション株式会社 執行役員 コンサルティングサービス事業本部管掌 兼 コンサルティングサービス事業本部長

それぞれのセキュリティ業界を選んだきっかけ

―お二人がセキュリティ業界に入ったきっかけを教えて下さい。

NRI_山口さん.jpg


NRIセキュアテクノロジーズ株式会社 コンサルティング事業統括本部長 山口 雅史氏

山口:もともとは通信系のソフトウェア会社でシステムエンジニアとして、官公庁向けインフラシステムの開発に関わっていましたが、10年ほど経験を積んだ後、次のステップに向けて転職を検討していました。転職エージェントから株式会社野村総合研究所(以下、NRI)を紹介されて、配属されたのがセキュリティ専門の子会社であるNRIセキュアテクノロジーズ株式会社でした。転職してから数年間、セキュリティソリューションの企画・開発やソリューションの提案・導入支援などを行っていました。技術の仕事も面白かった一方で、「お客様にとって、もっと身近な存在になりたい」と考えるようになり、コンサルティング部門へ異動希望を出しました。セキュリティ市場は今後伸びるだろうと考えていましたが、実際にコンサルに異動して2年目の時に各社でインシデントが発生する出来事があり、確信に変わりました。
田中さんは新卒でセキュリティ業界に入られたのですよね?

NRI_良さん.jpg


三井物産セキュアディレクション株式会社 執行役員 コンサルティングサービス事業本部 本部長 田中 良明氏

田中:はい。私は社会人スタートからセキュリティ業界でした。やるならちょっと変わった専門領域の方が楽しいのではないかと考え、その中で、“護る“「誰かの役に立ちたい」「社会に貢献したい」との想いからセキュリティ業界を選択しました。セキュリティは隠れたヒーローみたいなイメージもあり魅力的でした。

最初はB2Bのプリセールスとして、お客様ごとにセキュリティソリューションを組み合わせて展開する業務に携わっていました。3年目からはコンサル業務にも関わるようになり、本格的にコンサルを極めるために転職しました。

山口:どうしてコンサルに興味を持ったのですか?

田中:当時、EU系・米国系でセキュリティに関するガイドラインや考え方なども二分されているタイミングで、今後日本はどうなっていくのか、利便性と安全性のバランスがどう変革していくのかということに興味がありました。

成長業界にいられるワクワク感と任せてもらえる信頼感

―これまでにお二人がセキュリティコンサルの仕事について、面白さを実感したのはどんなタイミングでしたか?

田中:私は具体的な出来事があったというよりも、1年目の頃から“セキュリティ業界にいる”ということ自体に非常にワクワクしています。サイバーセキュリティは社会的意義の高い仕事ですが、昔はセキュリティと言えば“サービスを推進するうえでの厄介者”のような扱いをされることもありました。しかし今では企業にとっても重要な経営課題の一つで“なくてはならないもの”として認識されています。何より今後も更に成長していく業界にいて、いろんな新しい課題や技術革新に触れ続けられるのは楽しみでしかありません。

山口:私が初めてやりがいを実感したのは、インシデント対応がきっかけでした。セキュリティアセスメントと中期計画策定を実施していたお客様がサイバー攻撃を受けました。新聞に掲載されるほどの事象で世の中でも話題になりましたが、その対応の支援のために、毎日のようにお客様企業のIT・セキュリティのトップの方とお話しし、インシデント対応をお客様と共に進めながらセキュリティアセスメントも実施し、より本質的な中期計画を策定できました。役員の方が私と対等に話してくださって様々なご意見を直接おうかがいしながら対応することができましたし、困っていらっしゃる場面にコンサルとして寄り添い、ソリューションへとつなげる経験もでき、お客様が最後に安心する姿を見てより一層セキュリティが好きになりました。

田中:確かにインシデント発生時などお客様から困っているタイミングで信頼していただけるのは、コンサル冥利に尽きますね。私もインシデント発生後に「この予算で全てお任せするので、一番良い対策をしてください」と言っていただいた事はプレッシャーもありましたが嬉しかったことを憶えています。当社が目指す姿として、「最後の砦の会社」と掲げていますが、まさにそれを実感できました。

嬉しい事と言えば、最近ようやくサイバーセキュリティについても記事やニュースになることが増えていますね。
戦いの歴史の例えで、「サイバー空間」は陸・海・空・宇宙空間に次ぐ【第5の戦場】であると言われています。
私たちの仕事も少しずつ認知度が上がってきているようで嬉しいです。

セキュリティ業界は、30年でも飽きることがない

―これからセキュリティ業界で働こうとする人にとって、今はどういうタイミングなのでしょうか?

田中:社会のデジタル化は加速し、ITの利便性と共に【安全性:セキュリティ】の重要度も更に高まります。セキュリティ業界は変革要素も多く、且つスピード感も速いので刺激的な環境の中で新しいことにチャレンジすることが増えると思います。
例えば、大手のお客様と最先端の取り組みを企画段階から支援したり、官公庁と一緒に制度設計に関わったりするようないろんな体験ができるでしょう。また、世界との距離も近くなっているのでグローバルな経験や、今はまだ話題にも出ていないような概念の攻撃や防御手法など試行錯誤しながら進化する仕事も増えると思います。

山口:本来、私たちの仕事はセキュリティの脅威がなくなれば必要のないものです。しかし、残念ながら脅威がなくなることはありません。利便性が高まれば、攻撃手法の技術も高まる。技術の革新が起き続ける限り、絶対にサイバーセキュリティは必要になります。そういった意味では、セキュリティは新しい技術に挑戦し続けられるので“飽きない”ということも働くうえでの重要なポイントだと思います。おそらく20年でも30年でも、ずっと楽しんでチャレンジし続けられると思います。

田中:本当にそうですね。日進月歩で進化していく技術やトレンドをキャッチアップし、自分で考えてチャレンジしていくことが好きな人に向いていると思います。チャレンジし続けられる面白さに加えて、セキュリティ人材はニーズに対して圧倒的に不足しているので市場価値が非常に高いというのもポイントです。

山口23年周期くらいで大きく変わっていきますからね。それは技術的なことだけではなくコンサルもそうで、セキュリティのフレームワークやガイドライン等は、数年後には新たなものができるので、常に最新の情報を追い続けなければならないです。
あとは使命感の高い仕事をしたいという気概を持っている方も向いていると思います。ドラマ『VIVANT』で、「美しき我が国を汚す者は許さない」というようなセリフがありましたが、あそこまで極端な考え方ではないにせよ、日本企業を見えないところから支えるという点では、日本のナショナルセキュリティを守っているのは我々だという自負を持つことはできると思います。

田中:仕事自体も面白いですけど、コンサルは人との出会いも財産になります。日本や世界を代表する企業のキーマンの方や新しいビジネスを開発・推進している人たちと一緒に仕事をすることは自分を成長させるための糧になります。価値観や考え方に衝撃を受けることも多く、出会いの多さもセキュリティコンサルの魅力のひとつと捉えています。

技術だけでは解決できない。ITやセキュリティ以外の経験も必要

NRI_2人.jpg

―IT関係の知識・経験や理系の素養がある方のほうが良い、といったことはありますか?

田中:今日はそれをぜひ伝えたいと考えていました。セキュリティに興味があれば、職歴や理系/文系についても問わないと思います。技術的なポジションは、開発/インフラ/運用などの経験がある理系出身の方のほうがフィットするところはあるかもしれませんが、文系の方もたくさん活躍されています。特にコンサルは、コミュニケーション力や会社のビジネスを理解してかみ砕いて理解できる力や、分かりやすく伝達する力などのスキルも重要です。

山口:私は、理系/文系と分けるのではなく、技術者とコンサルタントが一緒になって解決するイメージを持っています。セキュリティ経験者は即戦力としてすぐに活躍できるのはもちろんですが、セキュリティ未経験の方でも安心して飛び込んできていただきたいと考えています。

田中:セキュリティには技術面とガバナンス面と両方が必要なので、ぜひいろんなご経験をされている方にセキュリティ業界にチャレンジしていただきたいですね。他社のセキュリティコンサルタントで「前職は職人でした」という方に出会ったことがありますが、意外な職種の経験も活かせるはずです。

山口NRIセキュアには、他業界から入社された社員も多く在籍しております。例えばアパレル系のデザイナー出身の方などです。多様な業界の出身者が集まり、良い人材に恵まれ、そのおかげで組織や会社が成り立ち、お客様や社会の安心を支えているというのは、本当に日々実感して感謝しています。
いつも当社のコンサルタントには全員に「人としても超一流であろう」と話しています。コンサルタントとしての能力やお客様との接し方はもちろん、部下へのマネジメント、お客様や仲間に感謝を持つ気持ちなど、当たり前の所作や健康管理なども含めてのメッセージでもありますが、その中には “美しい心で対応する”という点も含めているつもりです。
私たちの業務は悪意のある攻撃者から、お客様を守るという、正義の立場で対応をするものですので、美しい心を持った人にぜひ入って来ていただき、お客様に寄り添いながら安全・安心な社会を共創していきたいですね。

田中NRIセキュアさんの人への期待や配慮は当社にも近しいものがあります。
当社は親会社の影響もあり「人の三井」という言葉を大切にしています。人の魅力や価値に最大限ベットし「挑戦と創造」していくカルチャーがあります。常にプロフェッショナルとして自己を高め、個の成長を全体の成長につなげることを意識しています。
この全体への繋がりをさらに広げ、NRIセキュアさんなど同業界で連携・協力してセキュリティ業界を盛り上げていきたいです。

関連記事:トップコンサルタントの視点で見るサイバーセキュリティの現在と未来(外部リンク)