本サイトは、快適にご利用いただくためにクッキー(Cookie)を使用しております。
Cookieの使用に同意いただける場合は「同意する」ボタンを押してください。
なお本サイトのCookie使用については、「個人情報保護方針」をご覧ください。
VPN
VPNとは
VPNは「Virtual Private Network」の略で、直訳すると「仮想プライベートネットワーク」となります。これは、インターネットなど誰でも使用できる公衆ネットワークを利用しつつ、仮想的に自分専用のネットワークを構築する技術です。VPNにはデータを暗号化する技術が組み合わされているため、安全な通信を行うことが可能になります
たとえば、リモートワークでカフェのWiFi (公衆ネットワーク) から会社のネットワークにアクセスする場合を考えてみます。VPNを使用せずに会社に接続すると、通信の内容を第三者に盗み取られることがあります。一方、自分と会社との間に仮想的な専用ネットワーク (VPN) を構築してから通信を開始すれば、通信の内容を悪意のある第三者に盗み取られる可能性が低くなります。また、たとえデータを盗み取られたとしても、そのデータは暗号化されているので攻撃者が解読することはほぼ不可能です。
近年、VPNの利用は企業だけでなく、政府機関や教育機関、一般消費者においても急速に広がっています。一因として、リモートワークの普及が挙げられます。2020年春のパンデミック以降、リモートでの仕事や学習が増え、インターネットを通じたデータ共有が日常的になりました。その結果、安全な通信手段であるVPNの需要が高まっています。
VPNの仕組み
VPNは、ユーザーの端末と接続先の間に安全な自分専用の「トンネル」を作るような仕組みで動作します。このトンネルを通じてデータがやり取りされるため、トンネル内のデータは第三者からは見えなくなります。それを実現するため、VPNには主に以下の3つの技術が使用されています。
(1) トンネリング技術
トンネリングは、データを仮想的な「トンネル」に通すことで、通信内容を外部から隠す技術です。このトンネルを通じて、データは安全に送受信されます。トンネリング技術にはL2TP (Layer 2 Tunneling Protocol) や OpenVPN などのトンネリング技術が使用され、高い柔軟性とセキュリティを提供します。
(2) 暗号化技術
VPNでは通信内容を暗号化することで、外部からの傍受や解読を防ぎます。暗号化にはAES (Advanced Encryption Standard )やChaCha20などの強力な暗号化方式が採用されています。暗号化されたデータは正規の受信者でのみ復号化され、悪意のある第三者が通信内容を解読することはほぼ不可能と言えます。
(3) 認証技術
VPN接続では、通信を行う双方 (クライアントとサーバー) が正当な者であることを確認するために、認証技術が使用されます。ユーザー名とパスワードが最も基本的な認証方式ですが、セキュリティを高めるために多要素認証 (MFA) と組み合わせることが推奨されます。
VPNにはいくつかの種類があります。冒頭で例として説明したカフェからのアクセスは「リモートアクセス型VPN」と呼ばれ、離れた場所から企業のネットワークに接続するために使われます。また「サイト間VPN」と呼ばれるVPNもあり、異なるオフィス間 (たとえば東京本社と大阪支社など) を接続して、まるで一つのネットワークのように使うことができます。VPNにはその他の用途もありますが、ここでは省略します。
VPNが提供する主な利点
VPNの利点は多岐にわたります。まず、企業にとってVPNは欠かせない存在です。社員がリモートで安全に働くための基盤を提供し、機密情報が漏洩するリスクを最小限に抑えることができます。
企業に限らず、個人がVPNを使用するメリットもあります。例えば、プライバシーを守るための強力なツールとなります。VPNを使用することにより、自分のIPアドレスが隠されるため、ウェブサイトや広告主が個人の行動を追跡することが難しくなります。また、海外のサービスを利用したくても地域制限のため日本からアクセスできない場合があります。そのような時には現地のVPNを使うことであたかもその国に居るかのようにサービスにアクセスすることができます。
このように、VPNは企業から個人まで、幅広いユーザーにとって価値あるツールといえます。