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DDoS攻撃

DDoS攻撃とは

DDoS(Distributed Denial of Service = 分散型サービス拒否攻撃)攻撃とは、特定のウェブサイトやオンラインサービスに対して大量のリクエストを送り、一時的に利用不能にするサイバー攻撃の一種です。この攻撃は、非常に多くの (場合によっては100万台規模になることもある) のコンピュータやデバイスを使って一斉に特定サイトに対してアクセスすることで行われます。たとえば、ショッピングサイトがセールを行う際、突然アクセスが集中してサービスが利用できなくなるのに似た状況を、悪意を持って意図的に引き起こすのがDDoS攻撃です。
攻撃者がコンピュータやスマートフォン、ルーター、監視カメラ、スマート家電など、インターネットに接続されたデバイスを乗っ取ることで可能になります。攻撃者はこれらのデバイスを遠隔操作して特定のサイトに一斉にアクセスさせます。つまり、これらデバイスのユーザーは知らないうちにDDoS攻撃に加担しているケースも多く、これらのデバイスを総称して「ボットネット」と呼びます。

DDoS攻撃の特徴

●分散型:1台の攻撃マシンではなく、ボットネット(前述)を利用して攻撃を行う。
●リソース枯渇:サーバーの処理能力やネットワーク帯域を圧迫し、サービスを停止させる。
●匿名性:攻撃者が直接攻撃するのではなく、多数のデバイスを遠隔操作して攻撃させるため、攻撃者の特定が困難。

主な攻撃手法と種類

DDoS攻撃にはさまざまな手法があり、以下のような種類が一般的です:
●ボリュームベース攻撃(Volume-Based Attacks)
UDPフラッド:UDPパケットを大量に送信してネットワーク帯域を消費させる。
ICMPフラッド:ICMP(ping)パケットを大量送信してサーバーを過負荷にする。
DNSリフレクション攻撃:偽装したリクエストをDNSサーバーに送り、増幅されたレスポンスを標的に送りつける。
●プロトコル攻撃(Protocol Attacks)
SYNフラッド:TCPの接続確立時に大量のSYNパケットを送り、サーバーの接続リソースを枯渇させる。
ACKフラッド:TCPのACKパケットを大量に送信し、ネットワーク機器の処理能力を超えさせる。
●アプリケーション層攻撃(Application Layer Attacks)
HTTPフラッド:大量のHTTPリクエストを送信し、Webサーバーを過負荷にする。
Slowloris:サーバーに小さなHTTPリクエストを少しずつ送り続け、処理待ちの状態を作り出してサーバーのリソースを使い尽くす攻撃。

これらの手法が単独または組み合わせて使われることで、DDoS攻撃はさらに複雑化し、防御が困難になります。

近年の重大なDDoS攻撃事例

日本でも、2024年末~2025年始にかけ、航空会社や大手金融機関がDDoS攻撃を受けたことが報告されています。このとき、利用者の搭乗手続きや荷物の預け入れに不具合が生じたり、オンラインバンキングサービスにログインできなかったりなど、一時的にアクセスできない状態が発生し、多くの利用者がサービスを受けられない状況に陥りました。
DDoS攻撃は単なるイタズラではなく、企業や組織の運営に重大な影響を及ぼす深刻な問題です。

DDoS攻撃への対策

多くのDDoS攻撃は、トラフィックを増大させることでシステムを過負荷にするため、ネットワークやシステムのキャパシティ(容量)を増やすことが一つの対策となります。しかし、それだけでは十分な対策とは言えず、ロードバランサーを導入して、複数のサーバーに負荷を分散させたり、攻撃トラフィックと通常のトラフィックを区別するためのフィルタリング技術(WAF)を使用したりなど、複数の防御策を組み合わせて使用することが有効です。また、クラウドベースのDDoS防御サービスも有効です。攻撃が始まった瞬間にトラフィックを解析し、不審なリクエストをブロックします。
企業規模に応じた対策も重要です。中小企業であれば、費用対効果の高い防御策として、信頼性の高いホスティングプロバイダーを選択することや、既存のサービスで提供されるセキュリティ機能を活用することが推奨されます。