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ブルートフォース攻撃

ブルートフォース攻撃とは

ブルートフォース攻撃(Brute Force Attack)とは、システムへのアクセスを試みる際に、すべての組み合わせを試す攻撃手法です。この攻撃の基本的な仕組みは非常にシンプルでありながら、力任せにあらゆる組み合わせを網羅することによって、認証を突破します。例えば4桁のPINコードであれば0000~9999まで最大1万通り試せば、必ずどこかで正解を得ることが可能です。(例えば銀行のATMを考えてみると、暗証番号の入力を数回間違えると、そのカードが使えなくなってしまうのは、ブルートフォース攻撃への対策です)


ブルートフォース攻撃は、主に次のような場面で見られます:
● オンラインアカウントへのアクセス:電子メールアカウントやソーシャルメディアアカウントなど、オンラインでの認証情報の窃取。
●暗号化されたデータの解読:ファイルや通信の暗号を解読し、機密情報を不正に取得。
● PINコードやセキュリティキーの解析:ATMのPINやモバイルデバイスのロック解除コードの解読。

攻撃の具体的な手法

ブルートフォース攻撃における具体的な手法を理解するには、攻撃の実施方法を知ることが重要です。この攻撃は、基本的にはすべての可能なパスワードの組み合わせを試すことによってアクセスを試みるため、例えば以下のようなものがあります。
● シンプルブルートフォース攻撃:
この最も基本的な形式では、攻撃者は「a」から始めて「z」まで、そして「0」から「9」までのすべての文字と数字を組み合わせたすべての可能性を試します。この方法では、使用されるパスワードのパターンや長さに応じて、数千から数億以上の組み合わせを生成し試行することがあります。
●辞書攻撃:
辞書攻撃は、一般的に使用される単語やフレーズ、広く知られているパスワードリストを基にして試行を行う手法です。こちらは、人々がよく使用するパスワードや簡単な変形(例えば、「password1」、「123456」など)を優先的に試すため、効率的です。
●ハイブリッド攻撃:
ハイブリッド攻撃では、辞書攻撃の基本リストを取り、それに数字や記号を追加して新しいパスワードの組み合わせを生成します。これにより、少し複雑なパスワードも破ることが可能になります。

ブルートフォース攻撃のリスクと影響

ブルートフォース攻撃が成功すると、その影響は組織や個人にとって甚大です。この攻撃方法により、不正アクセスされるリスクやそれに伴う損害は多岐にわたります。以下に、ブルートフォース攻撃のリスクとその潜在的影響について具体的に解説します。

●データの漏洩:
攻撃者がシステムの認証を突破すると、機密データにアクセスできるようになります。これには顧客情報、従業員の個人情報、財務データ、知的財産などが含まれる場合があり、これらが漏洩すると法的責任や信用失墜を招く可能性があります。
●システムへの不正アクセス:
ブルートフォース攻撃によりシステムへのアクセス権を得た攻撃者は、さらに他の内部システムへの攻撃を拡大することが可能です。これにより、マルウェアの展開、追加的なセキュリティ侵害などが引き起こされることがあります。
●ランサムウェアの展開:
不正アクセスを通じてシステムに侵入した攻撃者は、ランサムウェアをインストールしてデータを人質に取り(暗号化し)、身代金を要求することがあります。このタイプの攻撃は組織にとって直接的な金銭的損失をもたらすだけでなく、事業の中断にもつながります。
●リソースの浪費:
ブルートフォース攻撃は大量の計算リソースを消費します。攻撃対象のシステムは、膨大な数のログイン試行に対応するために多くのリソースを割かなければならないため、正常な業務に必要なリソースが削がれ、パフォーマンスが低下します。
●法的および規制上の違反:
個人データが含まれる情報の漏洩は、GDPRやその他のプライバシー法規の違反につながり得ます。違反が発生した場合、企業は重大な罰金や制裁に直面する可能性があります。

対策と防御方法

ルートフォース攻撃に対する対策と防御方法は、組織や個人が取るべきセキュリティの基本となります。これらの攻撃を効果的に防ぐための対策は多岐にわたりますが、ここでは特に重要な方法をいくつか詳しく説明します。
●パスワードの複雑さと長さの強化:
強力なパスワードポリシーを採用し、大文字、小文字、数字、特殊文字を組み合わせた複雑なパスワードを使用することが推奨されます。
●アカウントロックアウトポリシー:
連続したログイン試行が失敗した場合、アカウントを一時的にロックするポリシーを設定します。これにより、自動化されたパスワード攻撃に対して時間的な障壁を設けることができます。
●多要素認証の導入:
パスワードだけでなく、二段階認証や多要素認証(MFA)を導入することで、セキュリティを大幅に向上させることができます。これには、ハードウェアトークン、SMSによるコード、バイオメトリックスなどが含まれます。
●適切な監視と警告システムの設置:
不審なログイン試行を検出し、即座に警告を発するシステムを設置することが効果的です。これにより、ブルートフォース攻撃が発生した際に迅速に対応し、被害を最小限に抑えることが可能になります。
●セキュリティ対策の定期的な見直しと更新:
セキュリティの脅威は常に進化しているため、定期的にセキュリティ対策を見直し、最新の脅威に対応できるようにシステムを更新することが重要です。これには、パッチの適用やセキュリティソフトウェアのアップデートが含まれます。
●教育と訓練:
従業員や利用者に対して、強力なパスワードの作成方法やセキュリティ意識の向上を目的とした教育と訓練を行います。セキュリティへの理解を深めることで、リスクを自然と低減させることができます。

これらの防御策を適切に実施することで、ブルートフォース攻撃によるリスクを大幅に減少させることが可能です。また、これらの対策は単独で用いるよりも、組み合わせて使用することでその効果を最大限に発揮することができます。