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セキュリティナレッジ

2025.07.15

SIEMとは?基本から機能・導入メリットまで解説

サイバー攻撃が日々高度化する中、単一のセキュリティ製品だけでは防御が難しくなっています。セキュリティ担当者としては、膨大なログの管理や脅威の早期発見が課題となり、対応に頭を悩ませているのではないでしょうか。そんな課題の解決策として注目されているのが「SIEM」です。
本記事では、SIEMの基本概念や導入時の重要ポイント、運用面での課題、さらに導入から運用までを一貫して支援できるサービスについて、セキュリティ担当者が知っておくべき情報を解説します。

SIEMとは

SIEMは「Security Information and Event Management(セキュリティ情報イベント管理)」の略称で、「シーム」と読みます。2005年にGartner社が定義した製品分野で、企業内のさまざまなシステムからのログデータを一元的に収集・分析し、セキュリティ脅威を検知するためのソリューションです。 
サイバー攻撃の高度化やクラウド利用の拡大に伴い、セキュリティ管理ポイントが増加している現在、SIEMの需要が高まっています。MarketsandMarketsによると、グローバルのマネージドSIEM(Security Information and Event Management)サービス市場は、2023年に75億ドルと評価され、2028年までに160億ドルに達すると予測されています。これは、2023年から2028年までの年平均成長率(CAGR)が16.3%であることを示しています。

"The global Managed SIEM Services Market is estimated to be worth USD 7.5 billion in 2023 and is projected to reach USD 16.0 billion by 2028, at a CAGR of 16.3% during the forecast period,"
出典:MarketsandMarkets, "Managed SIEM Services Market worth $16.0 billion by 2028, growing at a CAGR of 16.3%"(2024年1月発行、2025年6月10日アクセス)

SIEMの基本的な役割と機能

SIEMは、サイバー脅威への対応力を高めるために、主に以下の5つの機能やプロセスを通じて支援・提供を行います。

  • ログ収集(支援機能):ファイアウォール、IDS/IPS、アンチウイルスなどのセキュリティ機器をはじめ、サーバーやネットワーク機器からログを収集します。
  • ログの正規化(提供機能):各製品から出力される異なる形式のログを、SIEM内部で統一されたフォーマットに変換します。
  • データ分析(支援機能):収集されたログを相関的に分析し、単体では見逃されがちな複雑な脅威や異常を識別します。
  • アラート通知(提供機能):疑わしい動きや脅威が検知された際には、管理者にアラートとして通知します。
  • レポート生成(提供+支援機能):セキュリティ状況を視覚的に把握できるレポートを自動的に作成し、関係者間での情報共有を容易にします。

これらの機能により、組織はセキュリティ情報を統合的に管理・分析するため体制を整えることができます。このように、SIEMの仕組みを十分に活用して高度な脅威を早期に発見・対応するには、セキュリティ監視の運用を熟知した専門的な知見と継続的な最適化が不可欠です。ただし、SIEMを効果的に使いこなすには一定の難しさが伴うため、導入後は運用支援体制の整備が極めて重要となります。

SIEM導入のキーポイント

SIEMは高度な運用を前提としたツールであり、導入前の準備と設計がその後の効果を大きく左右します。ここでは、導入時に押さえておくべきポイントを紹介します。

導入前の事前準備が重要

SIEMは企業の情報セキュリティを強化する有力な手段ですが、導入にはコスト、スキル、リソースといった複数の壁が存在します。特に初期費用やライセンス料、保存ストレージの容量といった継続的コストの正確な見積もりが重要です。過小評価すると、運用途中での見直しが必要になり、対応が後手に回るリスクがあります。
また、SIEMの運用には専門的な知識とスキルが必要です。導入後にすぐに活用できるわけではなく、分析スキルを持った人材の確保・育成も事前に検討すべき重要なポイントです。

製品選定は「自社との親和性」が鍵

SIEM製品には多様な種類が存在し、機能や提供形態もさまざまです。例えば、コンプライアンス対応に特化したログ管理重視型、相関分析やAI分析を備えた高機能型、SaaS型クラウド向け製品などがあります。自社が求める目的(可視化、脅威検知、インシデント対応など)と照らし合わせながら、既存インフラとの連携性や将来的な拡張性を見据えて選定しましょう。

スケーラビリティとサポート体制の確認

導入初期は小規模な監視対象に留めても、将来的に監視対象の拡張やログ量が増加する可能性があります。そのため、柔軟なライセンス体系やスケーラブルな構成が可能かどうかを確認することが、長期的な運用成功の鍵になります。
また、特に海外製のSIEM製品を導入する場合には、日本語サポートの有無や現地でのサポート体制の質も重要な検討ポイントとなります。国内外で分散して導入するケースでは、各地域の言語対応や支援体制を事前に確認しておくことが、スムーズな運用につながります。トラブル時の対応や、ルール設計支援といった導入後の支援力は、実運用で大きな差を生みます。

SIEM導入後に直面する運用面の課題

SIEMの真価は、運用段階での「使いこなし方」によって決まります。

アラート対応に求められる判断力と経験

SIEMを含む、管理・監視対象のセキュリティ製品は多くのアラートを発報しますが、それらはすべて即時に対応が必要とは限らず、まずは内容を確認・分析したうえで、対応の要否が判断されます。
また、誤検知や過検知への対処は、アラートの発報元となる各セキュリティ製品側のチューニングが重要です。そのうえで、アラートの優先度判断や初動対応の見極めも重要な課題となります。特に、複雑な攻撃に対してはログ間の相関分析が求められ、対応には高い専門性が求められます。

運用体制とリソースの現実的な負担

SIEMを継続的に活用するには、検知ルールの最適化、レポート作成、ログ保守などの定常作業が不可欠です。これには高度な知識を持つ専門人材の確保と育成が求められ、自社のリソースだけで対応し続けることは容易ではありません。必要に応じて、外部パートナーとの連携も含めた柔軟な体制構築が重要となります。

ツール連携と運用フローの構築・維持

SIEMの導入・活用を効果的に進めるためには、インシデント対応や運用管理の全体像を見据えた設計が求められます。具体的には、チケット管理ツールや自動化プラットフォームとの連携を通じて、検知から対応までの一連の流れをスムーズにし、運用負荷の軽減や対応の迅速化を図ることが重要です。
これらの仕組みを適切に設計・維持するには、常に変化する技術や運用ニーズへのキャッチアップが欠かせません。したがって、SIEMの運用は単体で完結するものではなく、周辺ツールとの連携やそれを支える体制の整備を含めた、総合的な取り組みとして捉える必要があります。

SIEM運用の複雑さを乗り越えるために

導入後は、継続的な運用・改善が成功の鍵を握ります。 運用フェーズでは、アラートの精査や相関分析、脅威インテリジェンスの活用、迅速なインシデント対応など、多岐にわたる高度な業務が求められます。
こうした中、「SIEMを導入したものの、運用が追いつかない」「正しく検知できているのか不安」といった声は少なくありません。このような背景から、SIEMの導入だけでなく運用までを包括的に支援できる外部パートナーの存在が重要視されています。
三井物産セキュアディレクション(MBSD)では、単なる導入支援を超えて、セキュリティ運用チームの一員として並走する支援体制を提供しています。具体的には以下のようなサービスを通じて、企業の実運用を支えます。

  • 専用SIEM基盤にログ・アラートを集約し、24時間365日の監視を実施
  • アナリストによるアラート分析と、脅威インテリジェンスを用いた高度な検知
  • 検知ルールやダッシュボードのカスタマイズによる“使えるSIEM”の実現
  • 重大インシデント時の迅速な対応まで、関連サービスと連携したワンストップ支援

さらに、要件定義フェーズ、オンボーディングフェーズ、運用フェーズという明確な三段階プロセスを採用しており、初期設計から実運用への移行もスムーズです。
 MBSDは単なるSIEMの「導入パートナー」ではなく、お客様のセキュリティ運用チームの一員として並走する存在です。

まとめ

SIEMは単なるログ収集ツールではなく、企業のセキュリティ体制を強化するための総合的なソリューションです。サイバー攻撃の脅威が日々深刻化する中、SIEMの導入は多くの企業にとって欠かせない選択肢となっています。
しかし、SIEMの選定や導入・運用には高度な専門知識と継続的な対応が求められます。効果を最大化するためにも、外部の専門家による支援を活用することをおすすめします。
三井物産セキュアディレクション(MBSD)の統合ログ監視・Advanced SOCでは、導入検討段階のコンサルティングから実際の基盤構築、運用までをワンストップで支援しており、SIEM導入によって実現したい将来像の達成をサポートしています。
自社の環境や目的に合わせた最適な導入・運用の実現に向けて、ぜひMBSDのサービスをご活用ください。

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